家具を買い替えたのに合わない原因は床だった。築20年以上の家で起きやすい色の違和感と、失敗しない家具選びのポイントを色彩の専門家がわかりやすく解説します。
家具の買い替えで失敗しないために知っておきたいポイント

先日、こんなお悩み相談を受けました
「築20年の家をもっと居心地よくしたくて、ダークグレーのダイニングテーブルを買い換えたのですが、なんだか部屋になじまなくて…。カーテンも変えた方がいいのでしょうか。」
この声、実はとても多いのです。
テーブル、ソファ、TVボード、チェア…
「家具を新しくしたのになぜか変に見える」「前より違和感が出た」
そんな時に、ほとんどの方が 原因を家具やカーテンに求めてしまいがち。
でも、実は一番のポイントは 床。
ここを理解していないと、家具を買い替えるたびに違和感を生んでしまいます。
原因はカーテンではなく床だったという話

築20年前後のお家は、床材の色が今の主流と大きく違います。
昔のフローリングは、オレンジ味の強いナチュラルや、赤みのあるダークブラウンが定番でした。
一方、現代の家具は
- グレージュ
- スモーキーなブラウン
- 低彩度のナチュラルウッド
など 彩度を抑えた色が主流です。

つまり、昔の床材と今の家具は 彩度の方向性が真逆。
このギャップが埋まらず、置いた瞬間に
「なんか浮く」「合ってない気がする」
という違和感が生まれてしまうのです。

ちなみに床を変えると違和感がなくなりますよね
なぜ合わない? キーワードは彩度
色には、明るさ・色相・鮮やかさの3つの要素があります。
中でも知られていないのが 彩度(鮮やかさ)
昔の床 → 彩度が高い
今の家具 → 彩度が低い
この差が大きいほど、対比が強く出てしまい、
家具だけが浮いて見える現象が起こります。
家具を買う前にまずやるべきこと
色相を揃える

床と家具の色相(色味)が合っていないと、何を置いても決まりません。
たとえば、
- 床がダークブラウン系
→ 家具もウォルナット系など赤みのあるブラウンを選ぶ - 床がオレンジ寄りのナチュラル
→ チェリー、ナチュラルブラウン
色相が揃うと統一感がある仕上がりになります
彩度を揃えると家具が一気に馴染む
家具がなんとなく浮いて見える理由のひとつは、彩度の差にあります。
鮮やかな色は存在感が強く、反対にくすんだ色は落ち着いて見えます。
ですからとにかく彩度を揃えてください
築年数のある家のフローリングは、赤みが強かったり、オレンジっぽい鮮やかさのある色味が使われていることが多いのに対し、今の家具はグレーが混ざった低彩度のスモーキーカラーが主流です。
この「鮮やか」と「くすみ」の差が大きいほど、家具が浮いてしまいます。
たとえば、彩度が高い床の上に、彩度の低いグレージュのチェストを置くと、どちらも悪い色ではないのに、なぜか馴染まず違和感が生まれます。
これは色が喧嘩しているわけではなく、鮮やかさのレベルが合っていないだけなのです。
雰囲気をガラッと変えるのは実は簡単ではない
イメージを変えたい時ほど、この彩度に注意が必要です。
シックインテリアのような低彩度の世界観を作りたい場合、床が高彩度だとどうしても限界があります。
つまり、どんなインテリアでも自由自在に作れるわけではなく、できることとできないことがあるというのを知っておくことが大切です。
すでに家具を買ってしまった時の調整方法と色の整え方
「もう買っちゃったんですけど…」という方へ。
まだ大丈夫です。調整する方法はあります。
1 ラグで床と家具の間をつくる
もっとも効果がある方法がこれです。
床
ラグ
家具
という3層構造にすると、
床と家具の彩度の差がやわらぎ、つながりが生まれます。
床と家具、どちらにも入っている色を含んだラグを間に敷くと、色どうしの差がやわらいで、空間が自然につながります。
2 フロアタイルをDIYで敷く
床の印象を変えられると、家具が驚くほど馴染みます。
最近は、
- 置くだけで貼れる
- 賃貸でもOK
- 色も質感もおしゃれ
というフロアタイルが数千円から販売されています。
床を変えると、家全体の印象が別物になるので、
DIYに抵抗がない方には強くおすすめしたい方法です。
家具選びはベースとの対話から
家具は置くものではなく、重ねる色として考えてみてください。
今あるベースの色とどう重なるか、どんな空気を作るか。
そこに意識を向けるだけで、
お部屋の印象は見違えるほど変わります。
このポイントを理解するだけで、どんな家具もぐっと暮らしに馴染みやすくなります
ぜひご自宅の雰囲気づくりにお役立てくださいね。
自然体 建築カラープランナー® 野村恭子
