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失敗しないキッチン計画とテーマカラーの決め方

色のこと

リフォームや新築するとき、いきなりキッチンや床から選び始めていませんか?実は、空間づくりで大切なのは「どんな暮らしをしたいか」というイメージ。そこを最初に明確にし、その上でテーマカラーとベース素材を決めます。特にキッチンやリビングのように素材や色が多く混ざる空間では、最初にベースを整えておくことで、全体が自然に調和します。この記事では、キッチンづくりを失敗しないためのステップとして、テーマカラーの決め方・床や建具の選び方・キッチン計画の進め方を色彩のプロの視点でわかりやすく解説します。

インテリア作りは「どんな気分で暮らしたいか」から始まる

家づくりやリフォームを進めるとき、最初に決めてほしいのは「どんな雰囲気の中で過ごしたいか」。
“カラフルで楽しい気分にしたい”
“ホテルのようにモノが少なく整った空間にしたい”
”自然と家族が集まるようなキッチンにしたい”

理想の写真などをいただいたり、そのイメージを言語化して共有しておくと、素材の選び方がぶれにくくなります。

そして次のステップは テーマカラーを決めること。
色をひとつ軸に持つだけで、迷う時間がぐっと減り、全体に一貫性が出てきます。

スタート地点は「床」や「建具」などのベースづくり

空間を組み立てるとき、まず考えたいのはベース部分。
特に床の素材と色は、部屋全体の印象を左右する大きな要素です。

たとえば、ウォールナットの床なら、モダンにもシックにも振れます。
明るいオークのフローリングなら、ナチュラルやカジュアルに仕上げやすくなります。

どんな床を選ぶかによって、建具・造作家具・巾木など、他の木部の色や素材も決まってくるため、最初にここを整理することがポイントです。

テーマカラーの決め方 ― 失敗しないキッチンづくりの第一歩

キッチンの印象を大きく左右するのが「カラー」。
ここを最初に決めておくことで、キッチン面材や建具、壁、などの素材選びがスムーズになります。

色の基本は、ベース・メイン・アクセントの3構成
キッチンもこの考え方を応用します。

① ベースカラー(基礎の色)

床や壁、天井など大きな面に使う色。
空間全体のトーンを決める最も重要な部分です。
最近の住宅はLDKが繋がっていることが多いため、全体を同じ色で揃えていくと調和しやすくなります。

② メインカラー(キッチンの主役)

キッチン本体やカウンター、建具など、目に入りやすい部分の色を指します。

③ アクセントカラー(差し色)

取っ手、照明、スツール、キッチン小物などに少しだけ効かせる色。
ここに個性を入れると、空間が一気に“自分らしいキッチン”に仕上がります。


カラーを決めるときのポイント

キッチンは毎日立つ場所。
「どんな気分で過ごしたいか」から色を決めるのが一番の近道です。

  • 自然素材に囲まれた落ち着きを感じたい → ベージュ、オーク、グレージュ

  • シックで上品にまとめたい → グレー、ウォールナット

  • 清潔感のある明るい空間にしたい → ホワイト、アイボリー、ライトグレー

そして、ここで大切なのは 「色を入れすぎないこと」
シンプルな土台(=ベース)を整えるほど、後から足す色や素材がきれいに映えます。

ベースが整っていれば、後から加える小物なども調和しやすく、インテリア全体に統一感が生まれます。

キッチンを考えるときの基本ステップ

1.素材感と色をそろえる

キッチンは家の中で最も素材が多く混ざる場所。
扉の面材・カウンタートップ・壁面パネルなど、それぞれの素材感がバラバラだと落ち着かない印象に。
木目×マットといった組み合わせを徹底する意識を持ちましょう。

例えばモダンに仕上げたいならキッチンの面材は、木目にしないほうがすっきりした印象になります。
天板も人造大理石かステンレスがおすすめです。

ナチュラルに仕上げたいならキッチンの面材は木目がおすすめです。
その際、床との色味のズレは違和感に繋がるので、揃えるよう意識してください。

2.見せるキッチン or 隠すキッチンを決める

オープンタイプなら“リビングの家具の一部”と考えて色を選びます。
独立タイプなら機能性を優先し、掃除のしやすさやメンテナンス性を重視して大丈夫です。

最近では独立したキッチンは少なくなってきています。
そのためキッチンもLDKの一部としてこだわる方が多く、選ぶのも楽しいですね。

3.素材ごとの特徴を知っておく

ステンレス天板

ステンレスの天板は、クールでモダンな印象をつくりやすい素材で清潔感のあるキッチンに仕上がります。
一方で、無機質すぎると感じる方もいて、好みが分かれる素材でもあります。

実際には、天板やシンクだけをステンレスにするのか、キャビネットまで統一するのかで印象が大きく変わります。
部分的に取り入れれば軽やかに、オールステンレスならかなりモダンになります

機能面では、熱や水に強く、衛生的でお手入れが簡単
ただし、細かなキズや曇りはどうしても出てきます。
最近はエンボス加工なども多く出ているので、サンプルで質感を確認して選ぶのがおすすめです。

かっこよく、シンプルな雰囲気がお好きな方、機能美を重視したい方には、ステンレスはとても頼れる素材です。

人造大理石

人造大理石は、天然石の風合いを樹脂で再現した素材。
アクリル系とポリエステル系の2種類があり、どちらもデザインの幅がとても広いのが特徴です。
石目調やマットな質感など、色・柄の選択肢が豊富なので、キッチンを“家具の一部”として見せたい方には特におすすめです。

機能面では、汚れが染みにくく、お手入れも簡単
水拭きだけで美しさを保てるほどメンテナンス性に優れています。
ただし、熱にはやや弱いため、熱した鍋やフライパンを直接置くのはNG。

色んな柄があるため、あらゆるイメージに対応可能な便利な素材です

クオーツストーン

クォーツストーンは、人造大理石の一種ですが、天然のクォーツ(水晶)を多く含むため、より硬く・より高級感のある素材で、天然石のような重厚感と人工素材の安定性を併せ持ちます。

硬度が高くキズに強い上に、汚れや水も染み込みにくいため、高級感とメンテナンス性を両立したい方にぴったりです。

価格はやや高めですが、長く美しさを保ちたい方、パンを直接こねたり、お料理にこだわりたいという方におすすめの素材です。

モダン、クラシック、シック、カジュアルなど色んなイメージに対応できます

セラミック

セラミックは、デザイン性・耐久性ともに非常に優れた素材。
陶磁器のようなマットな質感と深みのある色合いが特徴で、モダンやシックにおすすめです。

機能面では、キズや熱に非常に強く、鍋を直接置いても変色しないほどの耐熱性を持ちます。
包丁の刃が触れてもキズになりにくく、長年使ってもほとんど劣化を感じません。

価格は高めですが、質感も性能も妥協したくない方、
美しいキッチンを長く大切に使いたいという方にこそ選んでほしい素材です。

「家具としてのキッチン」という考え方

最近のキッチンは、料理をするだけの場所ではなく、家の中心にある“見せる家具” のような存在になっています。
だからこそ、素材・トーン・照明を含めて空間全体で調和をとることが大切です。

家族やお客様が集まる場所として、色と素材が整ったキッチンは、それだけで空間の品格を引き上げます。

ぜひキッチンにもこだわって色選びをしてみてください。

自然体 建築カラープランナー® 野村恭子


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